2019年4月2日に第77期名人戦七番勝負第一局が行われました。
対局者は佐藤天彦名人、そして順位戦A級1位にて挑戦権を得た豊島将之二冠の対局
この対局は振り駒にて佐藤天彦名人の先手にて行われ15時2分58手目にて4度目の同一局面が成立し、千日手指し直しとなりました。
さて、名人戦は両者に9時間の持ち時間が設定されております。
そのため2日制で行われ、初日は9時開始18時半以降に指す手を封じ手にし2日目に移行します。
千日手規定
通常の規定では千日手発生時の対応は下記のように記されています。
第6条 指し直し千日手や持将棋が成立した場合は、30分の休憩後、即日、先後を入れかえて指し直す。
- 指し直し局の持時間は両対局者の各残り時間とする。
片方または両方の対局者の持時間が、1時間に満たない場合には、少ない方の対局者の持時間が1時間になるように、両対局者に同じ持時間を加える。
ただし、初めの持時間を越えて加算することはない。- 再度・指し直しになった場合も同様の処理をする。
- 持時間が1時間以下の棋戦(テレビ棋戦他)については、その棋戦の実行規定に委ねる。
- 千日手局や持将棋局は、タイトル戦を除き、通常1局とは数えない。
対局規定(抄録)
しかし今回は上記の対局規定は適応されず翌日に指し直しとなりました。
こちらには抄録しか記載されておりませんが、名人戦規定が存在し千日手のルールが存在するようです。
また公式サイト等にも抄録外の固有の規定は公開されていないようです。
今回適応された規定を抜粋
(4)1日目の午後3時以降に千日手になったときは2日目に1日指し切りで行う。
この場合、封じ手までの時間を折版して双方の持ち時間を差し引く。
これにより指し直し対局では持ち時間が折半されました。
佐藤天彦名人 4時間5分 豊島将之二冠 5時間59分の持ち時間にて対局が行われます。
Q番勝負で千日手が生じた場合、指し直し局はどうなるのでしょうか。
Aタイトル戦番勝負、竜王戦挑決などの決勝番勝負で千日手が生じた場合、先後に関しては指し直し局が決着した時に完結します。
たとえば、第1局が挑戦者先手で千日手となった場合、指し直し局は挑戦者が後手となりますが、第2局も挑戦者が後手、第3局は挑戦者が先手となります。そして最終局まで行けば、再度振り駒になります。
本規定は、2005年4月より、全棋戦の番勝負に適用されました。プロ棋戦の規定などについて
上記規定により先後が入れ替わり、豊島将之二冠の先手で予定通り4月11日9時より対局が開始されます。